イエスに従ってきた弟子たちは、悪霊に取りつかれた子どもを前にして、病を癒すことができなかった。「なぜ、わたしたちは悪霊を追い出せなかったのか?」と問う弟子たちに、「あなたがたの信仰が薄いからだ」とイエスはおっしゃった。弟子たちに信仰が無いとは言われない。しかし、病を癒すほどまでの信仰の濃度を満たしていないことをイエスは指摘したのである。この時代、政治、社会、家族、病気と様々な問題を抱えている中で、どれほど多くの人たちが苦しみ、絶望を感じているだろうか。そのような人々を前にしたとき、教会は何をもって証しをするのか。イエスは現実のただ中に入り、人々の暗闇に直接触れ、担われ、癒されたお方である。教会、また、キリスト者には、このイエス・キリストの権威ある名が与えられている。しかし、この世の勢いに押され、この世の生活が一番になり、信仰が薄められているのではないか。まさにイエスは、今日の教会に、この御言葉を語られているのである。真の福音の力を、教会は取り戻さなければならない。